スキー指導への応用

 多くのターンモデルから導き出された動作要素に基づいて、スキー指導理論を構築することはスキー指導にとって有益である。
 切れ込みターンモデルで明らかになった動作要素は、横ずれの少ないターンを目指す中級者や上級者にとって重要な情報を提示してくれる。また、横ずれターンモデルは、スキーヤーが簡単に横ずれしながらターンできる方法を示してくれる。その中でも、スキーヤーのターンをよく再現していたモデルは、1)股関節の回旋モデル(清水・村上, 1984)、2)股関節の回旋と脚の屈曲・伸展の複合モデル(清水・長谷川, 1992)、3)股関節の回旋と股関節の内転・外転による複合モデル(清水・長谷川, 1995)、の3種類であった。横ずれターンに共通している動作の特徴は、ターン外股関節の内旋であり、それによって生じたトップリフトが横ずれターンを起こすことであった。
 各種モデルのスキー指導への応用
 切れ込みターンモデルのスキー指導への応用
 切れ込みターンモデルで明らかになった見地から、スキー指導への応用について、以下のように考えることができる。切れ込みターンの条件としては、1)有効サイドカーブが生じる凹状スキーを用いる。最近のスキーはサイドカットがきつく絞られているので、切れ込みターンが行いやすい用具になっている。2)角付けを強める。ターンの後半は、横ずれが生じやすいので角付けを強めて、スキーが横ずれするのを防ぐ。角付けに伴って、3)重心をターン内側に移動して内傾を作り、重力と雪面からの抗力(反力)の合力ベクトル(向心力)により、見かけの力としての遠心力に対処する。特に、4)ターン外股関節の内旋は行わないことである。つまり、ターン外股関節の内旋ではトップリフトが生じ、スキーが横ずれターンをする条件となるので、切れ込みターンでは、ターン外股関節の内旋をできる限り行わないことである。
 例えば、切れ込みターンを行おうとして、股関節の内転や外転やストレート内傾により切れ込みターンをしていても、股関節を回旋するとスキーに対して回転モーメントを与えることになり、横ずれターンが生じてしまう。このように、切れ込みターンを行うには、股関節の回旋は行わない方が良い。股関節の回旋は横ずれターンには重要な条件であるが、切れ込みターンでは極力、控えなければならない動作である。切れ込みターン(カービングターン)において、重要なことはスキーを回旋して迎え角を与えないよう、強い角付けと、遠心力に対応して重心のターン内側への移動を適切に行うことである。
 また、横ずれ1本スキーによる連続自動横ずれターンモデルでは、スキーの前部にスキーヤーを取り付けた場合、横ずれターンが生じやすかった。そこで、切れ込みターンを行う場合には、あまり前傾を強め過ぎると、スキーに回転モーメントが生じて、横ずれターンが生じやすいので避けた方がよい。スキーヤーが後傾すると、スキーは横ずれしにくくなり、切れ込みターンには適しているようだが、極端な後傾姿勢は切れ込みターンにおいても好ましくない。
 横ずれターン(トップリフト)モデルのスキー指導への応用
 例えば、スキーの初心者が初めてプルークファーレンやプルークボーゲンを行おうとする場合、左右スキーの内エッジが立ち過すぎてスキーに横ずれが起こらず、そのうちスキーの前が重なってしまうことがある。そして、左右のスキーが重なった途端、スキーが勝手に、本人の意思とは無関係にくるっとプルークボーゲンでターンをしてしまう。スキーヤーは、自分の意志でターンをさせたのではなく、スキーが勝手にターンをしてしまい、なぜ、スキーがターンをしたのか、本人にも分からない場面をよく見かける。この場合も、トップリフトによって、横ずれターンが生じた現象として理解することができる。すなわち、ターンをする方向は、必ずスキーが重なった上のスキー側(方向)に横ずれターンをしている。
 このように、プルークで両スキーの内エッジが角付けされている状態で、スキーの前が重なると、重なった下側のスキーは内エッジが立っている。それに対して、重なった上側のスキーは、下側のスキーを踏んでいるので、下側のスキーの厚み分だけ(約1cm)スキーの前部は雪面と接していない。そして、スキーの中央部から後ろ部分にかけては内エッジが雪面に角付けされている。このような状態はトップリフトの条件を満たしているので、スキーは重なった上側のスキーの方向に横ずれターンを始める。
 このように、スキーを重ねなくても、トップリフトの現象を積極的に作り出せば、簡単に横ずれターンをすることができる。すなわち、ターン外スキーの内エッジを角付けして、ターン内スキーのトップを持ち上げれば、持ち上げた側に横ずれターンが生じる。トップリフトの動作としては、例えば、トップリフトする側の足関節の背屈と、膝関節の伸展である。しかも、トップリフトの程度は、スキーのトップが約1cm持ち上がるだけで十分である。ただし、トップリフトしたスキーのテールを雪面に接触させておくことが条件となる。
 また、横ずれ1本スキーによる連続自動横ずれターンモデルにおいて、スキーの前部にスキーヤーを取り付けた場合、すなわち、スキーヤーが前傾すると、横ずれターンが生じやすいことが分かった。そして、後傾するとスキーが横ずれしにくく、切れ込みやすいので横ずれターンをさせたければ、ターン中は少し前傾にするとよい。逆に後傾にするとスキーは横ずれしにくくなる。
 さらに、横ずれターンは、ターン外股関節の内旋を強めることにより、プルークトップリフトやシュテムトップリフトが生じ、トップリフトした側に横ずれターンをすることができる。また、横ずれによるパラレルターンの場合には、同時に股関節を回旋するか、ターンの後半には、遠心力によってスキーが横ずれしやすくなるので、横ずれの程度を角付けの調整により行えば横ずれターンもできる。
 股関節回旋モデルのスキー指導への応用
 図のように、大腿部とスキーのなす角度を45度程度になる姿勢をとり、他の関節は動かさないようにして、股関節の回旋を行うと、直滑降姿勢からプルーク姿勢と斜滑降姿勢がとれる。プルーク姿勢や斜滑降姿勢から、ターン外股関節の内旋を強めると、内スキーのトップが持ち上がり、持ち上がった方向に横ずれターンが生じる。プルーク姿勢でターン外股関節を内旋すれば、プルークトップリフトになりプルークボーゲンができる。斜滑降姿勢でターン外股関節を内旋すれば、シュテムトップリフトになりシュテムターンができる。もちろん、図のような山回りターンだけでなく、谷回りターンもできる。
 しかしながら、股関節の回旋はスキー初心者には意識することが難しい動作かもしれない。従来、スキーで使われてきた指導言語で、股関節の回旋を表していると考えられる用語に、「脚のひねり」、「スキーのテールをハの字に押し開く(開き出す、押し出す)」、「かかとを押し出す」、「かかとを外側に捻る」、「かかとの捻り押し出し」、「膝の捻転」、「下肢の捻転動作」、「太ももの内捻り」、「膝をターン内側に捻る」、「膝を行きたい方向に向ける」などがある。これらの用語は、スキー指導場面でよく使われてきた言葉である。これらの指導用語の意味することは、例えば、「両股関節の内旋」が原因で、結果として、「スキーのテールをハの字に押し開く(開き出す、押し出す)」ような動作が観察され、指導者の言語として発せられたと考えることができる。本研究の股関節の回旋モデルが登場する以前は、股関節の回旋がスキーターンの最も重要な動作であることの指摘は、スキー界において一般的でなかった。そこで、スキーヤーのターンの様子を観察すると、股関節の回旋動作よりも、動作の結果として、「スキーのテールをハの字に開く」が目に付いたようである。スキーの指導者や学習者にとっては、おそらく動作の原因である「両股関節の内旋」よりも、動作の結果として現れた「かかとを押し出す」、「かかとを外側に捻る」、「スキーのテールをハの字に押し開く(開き出す、押し出す)」の方が、動作を伝達するときには分かりやすい表現であるのかもしれない。
 従来から、スキー指導で用いられている上記のような用語は、間違っていたのではなく、股関節の回旋を指導者が言語化して、学習者に伝わりやすい用語で表現し、それが受け継がれてきた結果であると考えることができる。いずれにしても、上記のようなスキー用語の原因となる動作が、股関節の回旋であることを、股関節の回旋モデルのスキーロボットを開発することによって明らかにすることができた。  しかしながら、股関節の回旋はスキー初心者には意識することが難しい動作かもしれない。従来、スキーで使われてきた指導言語で、股関節の回旋を表していると考えられる用語に、「脚のひねり」、「スキーのテールをハの字に押し開く(開き出す、押し出す)」、「かかとを押し出す」、「かかとを外側に捻る」、「かかとの捻り押し出し」、「膝の捻転」、「下肢の捻転動作」、「太ももの内捻り」、「膝をターン内側に捻る」、「膝を行きたい方向に向ける」などがある。これらの用語は、スキー指導場面でよく使われてきた言葉である。これらの指導用語の意味することは、例えば、「両股関節の内旋」が原因で、結果として、「スキーのテールをハの字に押し開く(開き出す、押し出す)」ような動作が観察され、指導者の言語として発せられたと考えることができる。本研究の股関節の回旋モデルが登場する以前は、股関節の回旋がスキーターンの最も重要な動作であることの指摘は、スキー界において一般的でなかった。そこで、スキーヤーのターンの様子を観察すると、股関節の回旋動作よりも、動作の結果として、「スキーのテールをハの字に開く」が目に付いたようである。スキーの指導者や学習者にとっては、おそらく動作の原因である「両股関節の内旋」よりも、動作の結果として現れた「かかとを押し出す」、「かかとを外側に捻る」、「スキーのテールをハの字に押し開く(開き出す、押し出す)」の方が、動作を伝達するときには分かりやすい表現であるのかもしれない。
 股関節の回旋と脚の屈曲・伸展による複合モデルのスキー指導への応用
 図のように、直滑降姿勢から片側の脚の屈曲と、もう一方の脚の伸展を行うと、ストレート内傾の斜滑降姿勢になる。この姿勢からターン外股関節を内旋すると、内スキーのトップが持ち上がり、シュテムトップリフトになって、スキーが横ずれを伴ってターンをする。この複合モデルでは、プルークの姿勢がとれないので、プルークトップリフトによるターンはできない。それでも、脚の屈曲と伸展によりストレート内傾を作り、スキーを角付けすれば有効サイドカーブに沿って切れ込みターンを起こす。さらに、ターン外股関節の内旋を行うことによって、スキーにシュテムトップリフトが生じ、横ずれターンが起こる。ここでの動作の重要な要素は、スキーを角付けしてターン外股関節の内旋を行うことである。  また、この複合モデルにより、ターン技術のほとんどが再現できた。このことは、股関節の回旋と脚の屈曲・伸展を別々に動作するのではなく、例えば、立ち上がりながら、あるいは沈み込みながら、股関節を回旋するような複合された動作がスキーヤーにも要求される。特に、ターンの前半では、立ち上がりながら股関節を回旋することによりスキーの方向を変える。また、ターンの後半では、沈み込みながら股関節の回旋をすることによって、角付けを強めて、横ずれし過ぎるのを防ぐことが、スキー指導では強調されるべき要点であると考えられる。
 股関節の回旋と股関節の内転・外転による複合モデルのスキー指導への応用
 
 図のように、直立の直滑降姿勢から両股関節の外転と内旋で、腰からのプルーク姿勢がとれる。また、片側の股関節の外転と内旋、もう一方の股関節の内転と外旋で、腰からの外向傾姿勢(斜滑降姿勢)がとれる。
 この腰からのプルーク姿勢や斜滑降姿勢から、ターン外股関節をさらに内旋すると内スキーのトップが持ち上がり、プルークトップリフトやシュテムトップリフトが生じて横ずれを伴ってターンが起こる。
 この複合モデルは、左右にスキーを開いているので支持基底面が広いことから、スキー初心者にとって非常に安定感と安心感があり、スキー初心者が最初に学習するターンとして適していると考えられる。すなわち、両股関節を外転することはスキーヤーの左右方向の安定につながる。スキー初心者を観察すると、ほとんどがこの複合モデルのようなプルークボーゲンを行っている。膝は伸展することによって固定され、ターン外膝をターンしたい方向に膝頭を向けること(股関節の回旋)で、トップリフトが生じて横ずれターンが起こる。

 股関節を回旋し、他の関節は固定する
 ところで、関節の屈曲や伸展を行うと、その関節の前面と後面の筋肉が交互に収縮する。直滑降姿勢を保ちながら直滑降をするには、スキーヤーが前後に倒れることなく、関節の前面と後面の筋肉を、同時に収縮させなくてはならない。スキーロボットによるターンモデルの場合には、直滑降姿勢やプルーク姿勢を保つために、関節はビス止めしてあるので、同じ姿勢をとり続けることができる。しかし、スキーヤーの場合には、同じ姿勢を保ち続けることは困難である。
 スキーで同一姿勢を保つことは、他者から観察すると、何も動作していないように見えるが、スキーヤーは両面の筋肉を使って、身体をぐらぐらさせないように安定させている。 例えば、股関節の回旋モデルのように、足関節と膝関節をしっかりと固定し、股関節の回旋だけを行えば、スキー初心者にも股関節の回旋モデルと同じように、プルークボーゲンからウェーデルンまで簡単に行うことができるはずである。しかし、いざやってみると、必ずしも簡単にできない。それは仮に本人の意識が股関節を内旋することにあっても、意識していない股関節以外の膝関節や足関節などが無意識的に動いてしまっているようである。
 股関節の回旋モデルの場合は、スキーロボットの足関節と膝関節はビス止めしてあるので動かないが、スキーヤーの場合、関節を固定しようとして一時的には固定できたとしても、ターン中に継続して関節を固定できずに、足関節や膝関節が動いてしまうようである。
 このように、ターンに必要でない関節を固定させて、目的の関節を動かす(例えば、ターン外股関節を内旋する)筋肉の使い方が、スキー技能習得の重要な指導のポイントである。関節は動かせばよいのでなく、動かさない関節は筋力で動かないように固定することが、スキーのターンでは重要であり、多くのターンモデルがそのことを証明している。動作が洗練されてくれば、必要でない動作は減少し、必要かつ最小の動作でターンができるようになってくる。上手なスキーヤーが一見、どこも動かさないようにターンをしているように見えるのは、長年のトレーニングによって、必要最小限の動作でスキーを操り、固定しなくてはならない関節を、しっかり固定しているのである。
 スキーのターンにおいて、ターン外股関節の内旋が重要な動作であることは何度も述べてきたが、股関節の内旋以外の動作は、何もしないで楽にさせておくのではなく、関節が動かないように、しっかりと固定することである。何もしていないように見える動作が、実際には拮抗筋を同時に収縮させて、関節を固定していたと考えられる。
 ところで、ターン時のSS系にかかる荷重は、ターン後半に大きくなる。その大きくなる荷重に対し、スキーヤーは押しつぶされないよう、姿勢を保たなければならない。そのためには、スキーヤー側から見ると、押しつぶされないように、脚を伸ばすことによって、ターン中にかかる力に対応している。そうしなければ、姿勢を保持できないでつぶされてしまう。しかし、スキーヤーを外から見れば同じ姿勢を保っているように見える。
 また、股関節の回旋以外の関節を固定することには、ターン技術を習得する上で基本的に重要なことが内在している。それは、スキーヤーの場合、斜面上に立つと鉛直に斜面に立とうとする。これはスキーヤー、特に、スキー初心者に特徴的に現れる姿勢である。本研究のターンモデルは関節が固定されているので、斜度が急になっても斜面に常に垂直に立つことができる。実はこの斜面に垂直に立つことが、ターンでは大事な姿勢につながる。すなわち、静止時には斜面に鉛直に立つと安定するが、スキーが最大傾斜線を向くと、その姿勢は、結果として後傾姿勢になる。そこで、スキーヤーが斜面に対して鉛直から垂直になることを意識して動作することが、ターンでは重要である。その点、ターンモデルは、関節をビス止めしてあるので、常に斜面と垂直になり、うまく動作がスキーに伝わる。この点がスキーヤーとスキーロボットによるターンモデルの大きな違いであり、スキーヤーが参考にしなくてはならない重要な斜面上での姿勢である。
 スキーヤーのターンをよく再現していたモデルの、1)股関節の回旋モデル、2)股関節の回旋と脚の屈曲・伸展の複合モデル、3)股関節の回旋と股関節の内転・外転による複合モデルの3タイプに共通しているターンのための条件は、1)スキーを角付けし、2)ターン外股関節の内旋を行うと、3)ターン内スキーのトップが持ち上がり横ずれを伴ってターンができる、ということである。このことをスキーヤーが十分に意識して動作できるかどうかが、スキーのターン技術を習得する上で重要になると考えられる。
 ターン技術の体系
 股関節の回旋により、筆者はターン技術を図のように体系化した。すでに、本研究で述べてきたように、ターン技術の体系は、基本姿勢と基礎ターン技術から成り立っている。スキーの基本の姿勢には直滑降姿勢、プルーク姿勢、斜滑降姿勢がある。この3つの姿勢で斜面を滑降すると、直滑降姿勢は直滑降に、プルーク姿勢はプルークでの滑降(プルーク・ファーレン)に、斜滑降姿勢は斜滑降、山回り、横滑りになる。
 基礎ターン技術は、プルークボーゲン、シュテムターン、パラレルターン・ウェーデルンがあるが、プルークボーゲンはプルーク姿勢から、パラレルターン・ウェーデルンは斜滑降姿勢から、シュテムターンは斜滑降姿勢とプルーク姿勢の組み合わせから成り立っている。このようにして、股関節の回旋モデルによって、ターン技術の体系化が可能となり、筆者はスキー技術指導書の、大学スキー研究会編による「スキーテキスト」(1987)と「スキー教本」(1987)や文部省による「学校体育実技指導資料第6集スキーへようこそ」(1998)のなかで、ターン技術を図のように体系化した。そして、実際のスキー指導の現場に応用して指導の展開を行っている。
 股関節の回旋モデルは、単独の動作でスキーの基本姿勢と基礎ターン技術ならびに多くのスキー技術を再現できた。このように、単一の動作で多くのスキー技術を再現できる動作は他にない。また、これらの股関節の回旋によるモデルのターンは、基本的には横ずれターンである。すなわち、股関節の回旋によって、1)角付けと、2)重心の内側への移動、3)スキーそのものの回旋により、迎え角が生じて、横ずれターンが行われると考えられる。なお、凹状スキーを使用して角付けを強めると、横ずれの少ない切れ込みターンもできる。
 さらに、ターンモデルで明らかになった原理を応用して、土岐ら(1998, 1999)は両下肢障害者用スキーの開発を行っている。これらは、基本的には股関節の回旋モデルの上に両下肢障害者を座らせ、両手でハンドルを操作することにより、股関節の回旋に相当する部材を動作させ、プルークボーゲンやシュテムターンさらにはパラレルターンでターンができる装置である。このように、スキーロボットによるターンモデルが、障害者用スキー用具の開発にも応用されている。
 そして、最近ではスキーロボットにより、スキーそのものの開発が進められている。スキーロボットによる開発は、模擬実験が比較的簡単に行えることから、実物モデルを制作する前の段階として、現在、新型スキーの開発に寄与している。将来は、スキーロボットの大型化によって、実物モデルのテストや、転倒実験によるバインディング(安全締め具)の開発にも応用されるであろう。